川崎市岡本太郎美術館へ行く。小田急線・向ケ丘遊園駅、生田緑地内ににあ
るのだが、この緑地もなかなかに面白い。地層の端正な岩肌に「清廉な」
と感心すると、すぐ先に『ローム地層実験犠牲者慰霊碑』が立っていて、単
純に感心した事が申し訳なく思えたりしているうちに到着、入館。
入館する頃から顔がニヤついて仕方ない。よほどうれしいらしい、私は。ゆ
っくりジグザグ歩きでじらしにじらし、職人気質ならぬM気質を満たして、
やっとのIN!ひとり遊びの醍醐味とともにイーン!!!!!
「いんや、まだまだ」と、ニヤつく私を出迎えたのは太陽の顔のレリーフと
壁一面の赤。
あかん、気づいたら夢中でカメラのシャッター切ってた。で、係員に怒られ
てた。私、道徳にうるさい方なのにこんな破廉恥な行為・・・な・ぜ?
なぜかわからない自分を引きずり、まずは岡本太郎常設展へ。企画展とは部
屋が離れているはずなのに、舞踏のBGM・不協和音がここまで聞こえてきてい
る。嗚呼、マグロと餃子を目と鼻にいきなり捻じ込まれた感覚。
危ない、危ない。
ナイトメアと化している巨大迷路、岡本太郎美術館。激情と乱暴とエロに感
化され、わしわしと館内を練り歩く。「座られることを拒否する椅子」に座
り、本当に拒否されたりもしてみる。すべてにぬるぬるの不協和音がつきま
とう。ねぇねぇ正直この組み合わせって失敗なんじゃないってくらい、、
気が違ってしまうってくらい。
暗いな照明と感じた瞬間、土方巽の弟子、玉野黄市氏の舞踏が始まった。白
塗りの男が透明ビニールの巨大な風船の中に入っている。風船をころころ回
転させ、時に激しく卒倒、のた打ちながら進んでいく。風船男が私の前を通
ると、何よりおしろいの甘い匂いが残った。
「のこった、のこった」のお相撲さんとつきあうと、鬢付け油の匂いが病み
つきになるらしい。舞踏家とつきあってた友達も同じ事を言ってた。おしろ
いの匂いと白い肌はくせになる。
なるほどなるほど堪能したよ。暗黒舞踏の魔人、激しい魂のご両人にかどわ
かされて。無事家に辿りつけるよう、石蹴りをしながら帰りました。神隠し
にあった子供は人里に戻ったのち、またかどわかされたいと思うのかしら。
私なら、かわ…。
(→冒頭の「かわ」へ続く)
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