新年のごあいさつ

虎渓三笑2022

これは、ある三賢者のおはなし。
山に隠居して修行者の指導をし、30年は虎渓(中国にあったとされる渓流)を出ないと誓っていた賢者の元に、あるとき二人の賢者が訪ねてきて、世を忘れてお喋りに興じました。
両人が帰る際、送りながら話が尽きずに歩いていると、いつの間にか虎渓を何百歩も出てしまっていることに気づき、三人で大笑いしたのだとか。
これが「虎渓三笑」ということわざ。
何事かに夢中になりすぎて他のことをすべて忘れてしまうことのたとえだそうです。

毎年、干支にまつわることわざを新年のご挨拶にからめたくて、今年も「寅」のことわざを調べていたら、こんな愉快な故事にたどり着きました。
お時間ある人は検索してみてください。立派な賢人たちが、和やかにげらげらと大笑いしている水墨画がいくつも出てくると思います。見ているとなんだか嬉しくなります。
結局のところ寅年とはまったく関係ないですし、この故事がほんとうに意味するのは三教一体といったもうちょっと難しいことのようですが、
「虎渓三笑」……うん、今年はこれがいいな、と思いました。


あけましておめでとうございます。
お腹が空いているのも忘れるほど芝居に夢中になったり。
電車を乗り過ごしちゃうほど熱中して本を読んだり。
明日の朝が早いのも忘れて友だちと語り合ったり。
日が暮れるのも気づかず釣りをしたり、ゲームでも、仕事でも、なんでもかまいません。
そんな風に、夢中で向かってみる2022年はいかがでしょう。
それでもし、なにかを忘れたり、間違えちゃうことがあったとしても、あんまり難しく考えず、あららと大笑いしたらいいですよね。
KAKUTAの公演は少しおやすみですが、それぞれ何かに熱中していると思います。
もしも思いがけない場所に歩きついていたら、手に手を取って大笑い。
(アルコールティッシュは忘れずに。)
そんなKAKUTAでありたいです。
あなたにとって、夢中になれる何かに、あるいは、大笑いできる友になれますよう。

本年もよろしくお願い申し上げます。


KAKUTA一同