KAKUTA「稽古場日記」

公演、ワークショップなどただいま進行中の活動の日記です。劇団員が持ち回りで更新します。

2004/07/31 Sat  女の夜・小説風稽古場日誌 第五回★☆佐藤滋

『小さな白い花』

稽古場に小さな花が咲くことがある。
ちょっとだけ台詞を間違えた麻生さんは「すみましぇん」と少しおどける。その時、空中に、ぽっとひとつ白い小さな花が咲くのだ。
僕は目を凝らす、ところがそれは、冷房の風にふかれてたちまちに消えてしまうのだが。
ふわり、という形容詞を身にまとい、麻生さんは稽古場にいらっしゃる。「昨日の帰り、雨は大丈夫でしたか?」僕が尋ねると、「平気よぉ、タクシー乗っちゃったんだから」と小さな赤い舌を出した。

稽古の帰り道、麻生さんと中央線に乗る。ほんの十数分の二人きりの時間、僕は日々の疲れも、夏の暑さも忘れ、穏やかな心でいる。
A駅に電車が近づき、麻生さんが席を立った。
「麻生さん、お疲れさまでした。お気をつけて」
そう言った僕の腕に、麻生さんはやさしく手を置いた。
「気を付けて帰るのよ。」
電車から降りる間際、麻生さんはふりかえりパチン、とウインクをしてくれた。本当に、パチン、という音がした。中央線の車両に、小さな花火があがった。

再び走り出した電車の中、僕はその花火の残像に目を凝らし続けていた。夏は、まだこれからだ。



2004/07/28 Wed  女の夜・小説風稽古場日誌 第四回★☆馬場恒行

『カメラ小僧』

『カメラを買った。』と彼は言った。
定価10万円するデジタルカメをYAHOOオークションで1万3千円で落札したと言う。『面白い〜』と彼は微笑みながら言う。
次から次にシャッターを切る。デジタルカメラは何枚撮ってもタダだから撮ることに迷いはない。そんな日に衣装合わせを行なった。色々な服が稽古場に並べられ人が集まる。『可愛い〜』『ここの袖口がね〜』などの声が上がる。
端からみるとバーゲンセールに群がる人達のようである。そして次々に服を脱いでは服を着る。その行為の影にデジタル音の小さな音が鳴っている。

そう、彼が稽古場の隅でシャッターを切っているのである。とは言えセクシーショットがあるわけではない。ただ盗撮の雰囲気を楽しんでいるだけなのだが、何故かうらやましい。
『どんなの撮れました?』と 私が聞くと『これはいいよ』と見せてくれた。
そ のショットはけしてヤラしくはないのだが捕り方がうまくヤラしくみせているのである。そんな事が行われているとは知らず衣装合わせは続いて行く。『ん〜… どうだろうね〜』『写メで撮っといたら?』『ならジュンジュンのデジカメで撮ってもらった方がいいんじゃない?』『ジュンジュン、デジカメで撮って。』
その瞬間、彼は笑顔になった。いままでカメラ小僧モドキだった彼が被写体自ら撮ってくれと言ってきたのである。

彼は撮った…自分も衣装を合わせつつ撮った。そしてデジカメの電池が切れるまで、求められなくなっても撮り続けたのであった。実近さん、あんたぁ〜最高だ!!



2004/07/25 Sun  女の夜・小説風稽古場日誌 第三回★☆田村友佳

『Anniversary』

元旦、クリスマス、海の日、イースター、結婚記念日、誕生日…。
この世界には実にさまざまな記念日がある。
各国独自のもの、宣伝一環のもの、個人間の約束の日。
その中でも、全世界共通の記念日が一つある。
それが「誕生日」だ。

七月十九日。
その日は私にとって、ごく大切な二人の誕生日である。
一人は我が父、明仁の。そしてもう一人は友であり、私が所属している劇団の主宰、桑原裕子の。

その日は、10月公演のチラシ撮影の日であった。
他の劇団員と話合い決めたプレゼントを片手に、撮影現場に向かう。
稽古は休みだったので、集まったのは撮影に関係するメンバーが数人だけ。
撮影は順調に進み、着々と終わりの時間に近づく。
終電の時間も近づいた、夜11時。撮影が無事終了。
いつになく、出来栄えのいい写真に皆が喜びの顔を見せていた。
世間話と、撮影話に華をさかせている間、桑原は着替えのために化粧室に去っていった。
急いで、ささやかなパーティーの支度を始める。
小さなケーキに蝋燭を立て、火を灯す。
どきどき落ちつかない。
スパイ役に任命された私は、終始ドアの前に立ち、彼女が帰ってくるのを見張っていた。
短い蝋燭は、冷房の風に追い立てられるようにどんどん短くなる。
ぽっ、ぽっ。ぽた、ぽた、ぽた。
気がつけば、蝋燭は殆どが原型を留めていない。
これでは、吹き消す前に火が消えてしまう。
願い事をかなえる灯火。それが消えてしまったら台無しだ。
苦渋の決断の結果、蝋燭を差し替えていると、化粧室のドアが開いた。
「来た!」
私の声に、どよめく人々。
蝋燭を差し替えているのは、川本一人なのに、全員がバタバタする。
バタバタすることなど一つもないのに、およおよしている。

ガチャ。
一同、気をつけ。
彼女の視界をふさぐように立ちはだかり、お疲れの挨拶をする。
晴れ晴れとした表情でそれに答えてくれる桑原。
足を一歩引く。
視界が広がったその先には、小さな小さな灯があった。
♪ハッピーバースディ トゥ ユー


毎年同じように、月日は巡る。
けれど一日一日は誰かにとって、記念日であり、忘れられない日の連続である。
少しでも記憶が残るように。少しでも多くの幸せを得られるように。
ささやかだけど、
HAPPY BIRTHDAY。


<font size=5>女の夜・小説風稽古場日誌 第三回★☆田村友佳</font>

2004/07/21 Wed  女の夜・小説風稽古場日誌 第二回★☆高山奈央子

『昼下がりの女』

七月某日の昼下がり。少し曇り気味の空模様だが、うだるような暑さは相変わらずだ。私はあまり行き慣れていない赤坂にやって来た。待ち合わせ場所には、麻生さん、客演の水野、野澤、田村が。

私は緊張を隠すかのようにいつもよりおしゃべりだった。いや、いつもと変わらないか。思えば私はいつでもおしゃべりだ。ただ、この日は緊張のため、しゃべらねば落ち着かない気分だったのでそう感じていたのだろう。
暑い。いやな汗が出る。
私達はTBSに向かった。今日は朗読公演のラジオCM収録なのだ。

ス タジオに入ると何とも言えぬ緊張感が私を襲った。コンマ単位で掲示されるデジタル時計が卓上に。今回は60秒・40秒バージョンの2本をとる。時間内に収 めなくてはならない。「時間制限」というと事に、花やしき公演を思い出していたのは私だけだろうか。ともかく、失敗は許されない。

かんだらどうしよう・・

と、頭にそんな思いが脳裏によぎったその瞬間、
「私の説明恥ずかしいからいらないわよ〜(笑)」
麻生さんだ。現場が和んでいく。私も少しずつ緊張がほぐれていくのを感じた。

麻生さんは、本当に素敵な人だ。いくつものキャリアを持ちながら飾らない人柄。そこから生まれる麻生さんの語り口を、私は憧れてやまない。「尊敬」という言葉より「憧れ」という言葉がしっくりくる想いを私は持っている。
収録が進む中、ナレーション部分を担当していた水野は素晴らしかった。時間に合わせるため、幾度の変更にも即座に対応していた。そして、収録は無事終った。

収録後、みんなで少し遅いティータイム。楽しい一時を過ごした。店に入って間もなく、夕立が降った。緊張し熱った余韻が残った体を冷ましてくるているようだった。
雨上がり、少しばかり涼しくなった赤坂。ラジオから今日収録したCMがながれるのを楽しみにしながら、私達はこの地を後にした。



2004/07/21 Wed  女の夜・小説風稽古場日誌 第一回★☆桑原裕子

『東京まろ茶』

 頭のてっぺんに500mlのペットボトルを乗せて山手線のホームを歩く。
そんな中年サラリーマンを、B子は見た。
まるで中世の花嫁修業のごとく、ソロソロと均衡を保ちながらペットボトルを乗せ歩くその男を、新宿駅の人々は誰一人として気にとめてない様子であった。みな彼の周りをプッと吹き出すこともなく黙々と素通りしていく。
 「まろ茶」を乗せた頭が人混みに消えてなくなるまでB子はそこに立っていたが、つと、この男の姿はもしや自分にしか見えていないのではないか、そんな想いが頭をよぎった。
むしろそうであってほしい、そんな風にも思った。東京という街はここまで特異なモノ/現象に慣れきってしまったのか。はたまたちょっとばかり不可思議なことなんて、いちいち気を払ってなどいられないほどに、もはやこの街はおかしげな人や物が氾濫しすぎているのか。
 もしあのペットボトル中年が、正常な精神を持ち、山手線のホームで疲れた顔をして立つ人々に小さじ一杯のユーモアを振りまきたい、いう想いであの試みに臨んだのであれば、おそらく男も、B子と同じような不安と焦燥、そして言いしれぬ虚無感に駆られたことだろう。
 そんな時代、そんな東京。グロテスクな日常にも既に人々は飽きてしまった。だからとて更に酸味の利いた刺激を探すのは、一足遅れて流行モノを追うトゥナイト2のようなものだ。それすらももう、存在しないのだが。
 B子は、今やホームの喧噪に紛れてしまった見えない「まろ茶」にそっと両手を合わせ、そして振り返ることなく、その場を立ち去った。

 7月。梅雨明けの知らせも聞こえぬまま蒸し暑い夜を迎えて、B子は一人、川上弘美の小説を開いていた。
野生の熊と恋人のごとく散歩をする女。そんな突拍子もない物語にうふふと読みふけりながら、B子は山手線ホームの、寂しげな「まろ茶」を思い出す。
せわしなく行き交う人々の影に、ゆらゆらと揺れるお茶の筒。うららかなピクニックコースで、魚くさい息を吐き歩く熊。
それとこれとは、何の共通点もなかった。
 B子はウトウトした。明日の稽古初日、何を着ていこうか。そんなことを思った。
夏の虫が、遅ればせながら、という風に窓の外で鳴いている。
 一輪の向日葵を挿した「まろ茶」のボトルと、麻のシャツを着た息の荒い熊が散歩をしている。
そんな夢は、見なかった。



<font size=5><b>女の夜・小説風稽古場日誌 第一回★☆桑原裕子

2004/07/14 Wed  ☆「女の夜」稽古場日記始まる!☆田村友佳

<font size=5>☆「女の夜」稽古場日記始まる!☆田村友佳</font>


さて、長らくお待たせしました。
夜の遊園地から、早一ヶ月。

恒例KAKUTA「稽古場日記」が始まります!!
8月に控えるは、朗読公演第二弾「女の夜」

夏の暑い夜。
都会の喧騒から離れ、ひっそりと語られる物語のいくつか。
皆様を素敵な文学の世界にお招きする、
その布石として
今回の稽古場日記はなんと小説風
に綴ってまいります。

稽古場で起こるちょっとした事件、出来事を
情景描写を加え、一話読み切り小説のごとく、週二回〜三回
掲載していきます。
古典文学風になるのか、はたまたSF小説風になるのか・・・。
そもそも、小説といえるものになるのか?

公演までのつかの間、こちらで夕涼みでもお楽しみ下さい。

ゆっくりとページを開くと
そこはもう「女の夜」。

最後までごゆっくりどうぞ。




2004/06/01 Tue  ☆ムーンライトコースター稽古場日記★第十六回★☆若狭勝也


★遊園地回想記★
幼い頃、親戚の子と年が近かったからか、月に一回は親戚一同で遊園地に連れていってもらっていた。おそらくキャストの中で、一番遊園地に行っているだろう。思い出というのも見当たらず、もう遊びきった。飽きた。東京に来ても、なかなか行く気にはなれなかったが、“ディズニーランド”には行った事がなかった。
「どうせミッキーが居るだけだろ!?俺はもう遊園地には飽きてるんだ。」
4年前くらいだったか、劇団員を含め6人でディズニーランド行く事になった。行きの電車ではしゃぐみんな。
「ハハッ(笑)!みんないい年して、子供みたいだよ。仕方ないなあ〜。」
と思いながら、ゲートをくぐった・・・・・・。
「うっ!うううう、うわあああ〜!!ミ、ミッキー!!うわぁ、今、目が合ったよ!!」
−−−−−−−
【ビックサンダーマウンテンの乗り方】
両手を広げ、胸を前に突き出す。右に曲がる時は、右方向に胸を突き出す。山を掻き分け、空を飛んでる気分になる!
「僕ちゃんはピーターパンだーい!!」


★稽古場日記★
僕は初舞台のカーテンコール後、感極まって舞台袖で泣いてしまった。でも数日後、その事を振り返って思い出した時、恥ずかしくて、もう絶対泣かないと決めた。それから僕は泣かなかった。
泣きそうにならないように、最近は、千秋楽の朝から「もう今日で終りなんだ!」と自分に言い聞かせ、芝居が終るとすぐに次の芝居の事を考える用意をしている。用意をしておかないと、泣いてしまう。
だからいつも、ちょいとそっけなく「お疲れ様!」「ありがとう!」と言ってしまう。皆さんごめんなさい。
でも今回は打ち上げ会場で、誰と話しても泣きそうになった。こらえていた。ずっと花やしきに居たかった。今日銭湯で風呂上がりにビールを飲んで、ほっとした時、一粒だけ涙が出てしまった。
花やしきの栗原さんをはじめとするスタッフの方々、この公演に携わって頂いたすべての方々、ご来場頂いたお客様、本当にありがとうございましたっ(涙)!
さあ、次だ!皆さん、これからのKAKUTAもご期待下さい!!

(※↓公演前に浅草で「天ざる」3段重ね!)


2004/05/29 Sat  ☆ムーンライトコースター稽古場日記★第十五回★☆高山奈央子


★遊園地回想記★
大学新入生時代に、サークルのイベントで初めて『花やしき』に 行きました。まだ10代でキャンパスライフをエンジョイ!するぞと浮かれておりましたあの頃、ディズニーランドに行くよりも、花やしきに行く!なんて事に カッコよさ?なんてものも感じたりして(^^;)そして、『リトルスター』(今になって名前が分かりましたが)という、星型の乗り物で、グルングルン回転 するものに乗り込みまして、グルングルン回されていたら、急に減速し「終りかな?」なんて思ったら、私は逆さまになって星はストップ!!え?!なぜ?しか もこんな微妙な位置で!なんて思っていたら、「すいませ〜ん!お年寄りの方が降りられますので少々お待ち下さい!」と、従業員さんの声が。 逆さになって顔が凄い状態のまま友達と思わず大爆笑!いや〜、花やしきって面白いわ!あったかいわ!なんて思った想い出があります。そんな花やしきでお芝 居をする事になるなんて(^▼^)ちなみに、お年寄りが降りられた後、またグルングルン回されまして、おそらくいつもより長く?!回していただいていたよ うに勝手に思いました。

★稽古場日記★
本番を2日終っちゃいました!おかげさまで天候にも恵まれ嬉しい限りです(>0<)今回はなんかいつもと同じ緊張感とともに、全く違う緊張感と高揚感がありまして・・・。これがすごいんです!!うまく説明できないんですが、一言でいうならば
本当に楽しい!!
お客様にも同じ想いをして頂けたら嬉しいなぁ、と思っております!
そ んな中、昼間(15時くらい)に私たちはチラシ配りなんて浅草の街中でやったりもしております!私は、成清・原・野澤と4人で着物に身を包み雷門の前で やっております。浅草の人々が「行きますよ!がんばってね!」なんて声をかけて下さったりして、本当に街のあたたかさを感じます!!今日、明日もやってお りますので、お早めに浅草にいらっしゃったらのぞいてみてくださいね(^ー’)☆水上バス乗り場でも別部隊がやっておりますので、そちらもぜひ!
あ〜、後2日で終ってしまうのが寂しい・・なんて思ってきたりしてますが、後2日!!存分に楽しみます!皆様もぜひぜひ夜の遊園地に遊びにいらしてください!


2004/05/25 Tue  ☆ムーンライトコースター稽古場日記★第十四回★☆成清正紀


★遊園地回想記★
遊園地での思い出となると、ぐーっと記憶を戻らせて、中学一年の頃の話をしよう。
俺の中学は男子校だった。小学校まで普通に近くにいた女の子達が全くいない。校庭にも教室にも男しかいない。12歳の僕達はその環境の変化についていけず、女の子を求めて休みの日にいろんな遊園地に遊びに行った。スポーツ刈り(死語か?)の男子が7〜8人だもん、相当気持ち悪い集団だったに違いない。あまりよく覚えてないが、声を掛けるとかナンパとかそういうレベルじゃなく、ずっと女の子を見ていた気がする。それもあまり見ないフリをしながら。
今考えると本当に気持ち悪い集団だな。おえっ。

★稽古場日記★
浅草といえば何を連想するか?浅草寺?仲見世?ロック座!?(意外と多かったりして)浅草といえば俺は寅さんを連想するな。
情に厚く、とても威勢がよく、それでいてどこかいい加減な人。そしてそういう人が浅草にはたくさんいるような気がする。
俺も、なかなかにしていい加減な方だとは思うが(いばることじゃないな)どこかが違う。
“センスの良いいい加減さ”というか、それが“粋”ということなんじゃないか、と俺は考えた。
“粋な人”になりたい。でもそんなことを言ってる俺は、絶対“粋な人”にはなれないんだろうな。そもそもその前にちゃんと生きないとな。
ちょっと待って、これは稽古場日記なんだよね?
脱線した。てかハナから稽古場日記というレールを敷いてないじゃん!

今回、浅草で、それも夜の遊園地で、公演が出来るということで随分自分自身浮足立っている、浅草はとても楽しい。俺はここに住みたいと思うようになってきた。みんなも何だかいつもより楽しそうだよ。

(※↓写真は稽古後ミーティングをする桑原嬢と舞台監督の坂野ちゃん。)


2004/05/22 Sat  ☆ムーンライトコースター稽古場日記★第十三回★☆実近順次


★遊園地回想記★
何年か前、兄貴の子供に会いに大阪まで遊びに行った事がある。その時初めて「ユニバーサルスタジオ」に連れてってもらった。
30過ぎた男が「連れてってもらった」なんていうのもどんなものか。かわりに子供の面倒はよく見たよ。
楽しいはずの遊園地。しかし今思い出してみれば、俺を一生懸命楽しませている兄貴の姿が印象に残ってる。
小さい頃の思い出なんか、今更思い出そうにもはっきり覚えてないものだが、こうして年をとり、自立することで、兄である一人の人物が何となく見えてきた。
いつも喧嘩して、疎ましくも思い、「何とかならんものかね、この人は。」その兄が帰り際、一つの紙袋を差し出した。
中には、俺が遊園地で何気なく「これいいな〜。」などと口にしていたものが、丁寧にお土産になっていた。
いつも遊園地には、なんらかの「お土産」がついてくる。楽しかった思い出、悲しかった思い出。
今更ながら、兄貴の「お土産」の重さを感じたのさ。
でも、そのお土産の一つ「水戸黄門の印籠」の使い道は、未だに分からないよ。

★稽古場日記★
今日も人のダメだしを聞きながら、胃の引きつる思いをしている。
「多分、俺の事だな」「絶対、俺だろ」
それでも直接言われなければ、嫌われてるのか、諦められてるか。
とかく小心な私にとって、何かと落ち着かない日々を送っている。
KAKUTAは皆、いい人だね。そんな皆に囲まれて、おいらはとても幸せです。
でもたまには叱って!そしてぶって!あたしを愛してるなら強く!もっと強く!
それでも小心な私には、ぶたれる程の忍耐もなく、結局今の関係が心地いいのです。



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