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成清正紀の日記 個別記事
あまから 21 過去のことについて
2007/10/31 水曜日

中高時代の学園祭で毎年お芝居をやっていた。
ただただみんなを“笑わせたい”芝居。
その準備期間の一ヶ月がとても好きだった。授業中にずっとネタを考えて、学校に遅くまで残って稽古をしていたあの時の高揚感。大半の先生が帰った後に仲間と体育館の裏で吸うタバコがおいしかったなあ。
たぶんあれがあったから、僕はお芝居を選んだ。
大学時代に演劇部から駆り出されていた夏休みの子供向けの“市民”ぬいぐるみミュージカル。2週間の合宿稽古で、本番は10日間。10日間40ステ、35000人ほどの子供達が観にくる。
夏にぬいぐるみを着て踊りまくって歌いまくって1時間の作品を一日4ステというのは相当キツイ。もの凄くやせる。声も出なくなる。演出家が大変厳しい人だから、朝9時(!)の公演から夕方5時の4回目の公演を終えて、宿舎に帰ったあとまた稽古がある。うまくいかない時は夜中の12時を回る。若いメンバー(中学生から大学生)はみんな半べそをかきながら歌って踊って、先輩達は早く寝たい(もしくはお酒が飲みたい)から厳しく後輩にあたりちらす。演出家もいつのまにかウトウトしてる。
稽古が終わったらみんなで庭に座り込んでジュース飲んでくだらない話しして。
先輩達のことは大嫌いであったが、とにかくみんな本当に必死であった。そして、すごく楽しかった。
この経験も僕がお芝居を続ける理由。

先日「なぜ芝居を続けるのか」という問いを不意に知人にぶつけられて、思い巡らした時にこれらのことが思い浮かんだ。的ははずれている気がするが、これらの経験がなければ、絶対に芝居は続けてはいない。
偉そうな「芝居を続ける」理由は他にも考えられるけど、案外そういうことなのかもしれないなと思う。

明日から本番の「ビデオスターの悲劇」には、なんかそういうことが詰まっている気がする(いきなり宣伝かよ!)。いや、待て(でも曖昧すぎるよ!)。俺は文筆業の人じゃないから(知ってるよ!)、これぐらいがちょうどいい(何が!?)。
忘れられない事があったりなかったり、忘れられない夜があったりなかったり、忘れられない人がいたりいなかったり、その人と今も連絡を取ってたり、いなかったり。秘密をばらしたり、秘密にしていたことさえ忘れて今もそのままだったり。
つまり、そういう道の果てに今の自分が立っているってこった。この芝居にはそういう“愛しい瞬間”がいっぱいあるんだよ。(んー。やっぱ曖昧すぎね?)
そりゃあ俺は文筆業の人じゃないからうまく書けんよ!
文句のある方は僕とお酒を飲みながら話しましょう。

「ビデオスターの悲劇」は日曜まで、中野ポケットでやっています。
お時間があれば是非観に来て下さい。ちなみに僕は出ていません。