【朗読の夜の作り方】―蔵出しの夜①/Fumikura 原扶貴子
こんばんは!
今夜の蔵出しは、
ホラーをテーマにした『黒の夜』にて上演された「ささやく鏡」からご紹介します!
「ささやく鏡」(今邑彩著)は、覗くと未来の自分が見えるという鏡に人生を操られてしまった女性の物語。
その女性を演じたのが、原田麻由嬢。
女性が鏡の中に見た未来の自分の姿が、
舞台上のスクリーンに映るという演出だった為、
それぞれの映像を彼女の一生の流れに沿って、撮影していきます。
ご紹介が遅れました。
今回の朗読公演で映像を担当してくださったのが、
メリケンサックさんです。
物騒なお名前ですが、物腰は至極紳士です。とてもお洒落な方ですし。
バラと打ち合わせしつつ、進めていきます。
作品の中では、女性の一生の流れが順番に描かれていくのですが、
今回の撮影ではピンポイントで、セーラー服姿の私、
伴侶を得て人生絶頂の表情を浮かべる私など、
限られた時間の中で、感情を作り表情を作り、撮影していきます。
麻由嬢の、
ものすごく集中しながら黙々と衣装やメイクを変化させていく姿がとても印象的でした。
カメラチェックも入念に。
ここで演出みずから5分休憩のアナウンス。
演出だけでなく、進行までありがとうございます。
人生の絶頂期の表情から、悲劇の表情へと進んでいきます。
涙に暮れる喪服姿の私。
本当の涙は透明なため光が通り抜けてしまうので、
撮影された画像ではあまりきれいに見えないとのことで、
ここから文字通り、涙の試行錯誤がはじまります。
まずは、バラ嬢お手持ちのクリームを試す。
クリームは白いのですが、撮影してみるといい具合に涙に見えます。
不思議なものですね。
が、しかし。いかんせんクリームは固いので、涙の質感がでない。
そこで。
じゃん!
ローション!
えぇえぇあのローションですよ。
演出助手の田村友佳(たむちゃん)お手持ちの。
なんでも血糊を作る時に使うんですって。
ローションは透明なので、さきほどのクリームを混ぜてみます。
ローション&クリームの涙が実にいい具合で。
麻由の顔によってたかってローション…
ああ、コレなんの撮影でしたっけ。
ホラーとエロスって隣り合わせなんですね。
撮影はついにクライマックスへ。
作品中では、「幽鬼のような」と表現される表情。
麻由嬢の手が赤いのは気のせいでしょうか…
はい、どーん!
「いい撮影できました!」
ホラーが血糊が似合う女優、原田麻由嬢。
撮影、おつかれさまでしたーーー!