2011年06月16日

【朗読の夜の作り方】―蔵出しの夜⑧/Fumikura 原扶貴子

こんばんは!
今夜のご紹介は。

今回の朗読公演に
欠かすことのできなかった演出部のお三方をご紹介しましょう。

江幡朋子さん!
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(えばっちゃんと吉田君アゲイン)

中村倫子さん!
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西岡祐介(ゆん)さん!
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えばっちゃんと倫子は、
稽古中には桑原のアンダースタディも担当してくれました。
役者である桑原が出演もしながら、演出も担当するというKAKUTA作品では、
桑原の代役というのはとても大切な存在なのです。
余談ですが。スタディといいつつ、お勉強ではありません。
この言葉を口にする時はいつも、アンダースタディ=代役と結びつかず、
これで合ってるよなぁと一旦考えてから出すようにしています。
アンダーステディだったっけ、とか。アンダーステディ…日陰者?!
語源はやはりお勉強なのでしょうか。
アンダースタディ。

話が逸れましたが、本番に入ってからは、このお三方、
舞台の掃除から、小道具の管理、本番中の舞台補助など、
あらゆる裏方を務めてくれました。
舞台の上手と下手にはいつもえばっちゃん、倫子、ゆんの誰かいつもいてくれて、
ほんとに心強かったです。
ゆんは上手袖の担当が主だったのですが、
本番中、慌しく舞台裏を行き来するなかで、
上手にゆんの姿があるそれは
『伝染るんです』の「かわうそくん」(桑原談)のようにも見えて、
緊張した心もふんにゃりする和みスポットでした。
そんな和みの人”ゆん”ですが、
本番中にやらなければならない自分の仕事をメモしてメモして、
付箋だらけになった台本を手に、ミスなく最後まで仕事をやり遂げてくれました。

演出部の三人が舞台袖についてくれているのは、
舞台装置や小道具などの出し入れを担当する為であり、
不測の事態に備えてという意味でもあります。

その不測の事態は、
「グラデーションの夜」一夜目、『群青の夜』にさっそく起きたのでした。
『群青の夜』の「夜のドライブ」で、
舞台後ろに設置された可動式パネルが外れてしまったのです!
このパネルがもしも倒れたら…
それはつまり、ドリフコントのごとく舞台が壊れてしまうということです。
外れたことに気づいた倫子がまずはパネルをがっちり押さえ、
その間に他の人が舞台監督である美知子さんに緊急を知らせました。
不幸中の幸い、「夜のドライブ」は『群青の夜』のラストの作品で、
その可動式パネルはレールから外れて以降、
最後まで動くことはないという流れだったのです。

ですから、
ともかくは最後までパネルを押さえ続けさえできれば乗り切れる、と。
だけど、パネルを押さえる場所はちょうど下手袖、
役者たちが出たり入ったりする場所だったので、
大柄な人だとぶつかってしまう。
そこで選ばれたのがえばっちゃんでした。
体の小さな彼女が下手袖でパネルをしっかりとつかみ、
終演まで持ちこたえてくれました。
パネルを握りしめるえばっちゃんの小さな背中は神々しく、
とても大きく見えたのでした。

この三人がいなかったら。
そんなこと、とても想像できないくらい。
ほんとうに、ほんとうに、ほんとうにありがとう!!!!!