KAKUTAトップ  >  プロフィール  >  原扶貴子の日記  >  水曜日なので映画にいく その2
原扶貴子の日記 個別記事
水曜日なので映画にいく その2
2007/11/29 木曜日

%E6%A8%AA%E5%B1%B1.jpg(11/22、横山の日記参照)

先日横山がこの写真を掲載して、

>童貞時代の横山です。「童貞だコノヤロー!!」と言っています。

とコメントしていたが、この年代の子どもが己のことを「童貞だ!」とか言ってたら、
気味がわるいなーと思いました、こんにちは、ラーハーちゃんです!!


071128_185042~000.JPG


行ってきました、「パンズ・ラビリンス」。
これがまー、血生臭い!
「ちょっとダークなファンタジー」という触れ込みやこの宣伝写真から、
「ナルニア国物語」や「ハリーポッター」のダーク版かなくらいの、
柔な気持ちで観たら、絶対にやけどします。
それも全身、体表面積の70%以上を。

1944年、内戦直後のスペインでは、
政府とレジスタンスとの緊張状態がまだまだつづいている。
歯向かうものも、疑わしきものもすべて虐殺されるというような重苦しく不穏な情勢。
それは、子どもだからとて免れることはできない。
オイ、横山!童貞なんて言ってる場合じゃないぞ!

そんな現実と、空想世界と呼べるもう一つの世界。
残念ながら、この映画では空想世界も現実と同様にヘビーでグロテスクなんだよねー。
子ども時代の私だったら、あんな空想世界、絶対に足を踏み入れなかったと思う。
だけど主人公オフィリアはそんな空想世界に身を投じる。
だって現実よりは、こっちの方が幾分かマシで、
自分は魔法の国のプリンセスだってことの方が信じがいがあるから。

血で血を洗うシーンの連続に怖くて仕方なかった。
それはもう観客としての客観性とかのレベルじゃなくて、
映画から受ける恐怖が、そのままこの時代に生きる恐怖につながるのではと思うくらい。
一緒に観た水野美穂ちゃんと震え上がった。
怖さの閾値が振りきれて、時々、顔を見合わせて笑ったりしてた。

ラストも救われたんだか、救われないんだか。
多分、幸せの基点になる地平をどこに設定するかなんだろうな。
できればオフィリアは救われたと思いたいんだけど…

ともかくは、ものすごく感覚を揺さぶられたので、夜、全く眠れなかった。
映画館を出た直後は、
恐怖感に苛まれて、深く映画のことなんて考えられなかったんだけど、
明け方になって、やっとこさ落ちついた。
ストーリー上、多少無理のあるところや、
辻褄が合わないんじゃないかと思えるような箇所も確かにあるのだけどれ、良い作品ということの理由は、必ずしも理路整然としたストーリーにあるのではないと思えば、
この「パンズ・ラビリンス」は十分に良い作品だと言えると思う。
水野美穂ちゃんも自身のブログで感想を書いているように、
好きか嫌いかはまた、別問題としてね。


明け方、浅い眠りの中で見たのはなぜか、
松尾スズキ、リリー・フランキーを はしごしてつき合う夢。
あんなヘビーな問題作を観たあとなのに。
なんともはや、己が情けない。
情けないついでだが、
二人ともすごくいい感じだったんだよねー。