趣味はほら貝。こんにちはジェイソン@13日です。
KAKUTA・4月公演のお稽古がボツボツはじまっております。
すでに配布されている台本は読んでおりますよ。台詞も覚えはじめております。
なれど!
やらねばならぬことがある時ほど、
やらなくてもいいことをやりたくのが悲しいかな小人物の人情。
台本の合間にササッと読書をするのが最近の気分なのです。
ぼくたちピクニック♪(森永飲料)、
もしくは、気軽にランチパック♪(山﨑製パン)の心持といえましょう。
さて。
そんな気軽な読書のおともは。
森見登美彦「夜は短し歩けよ乙女」。
読了。ちーん!おもしろかったー!
まるで漫画「うる星やつら」のような奇想天外なできごと、強烈なキャラクターたち。
けれど、ありえない事件がおこる場所は京都の実際にありえる地名なので、
そのリアリティのバランスがなんともいえず美味。
京大付近の百万遍の交差点とか吉田山とか喫茶店「進々堂」、
ほか左京区の地名がいっぱい!
昨年5月、京都旅行で(あ、もちろんひとりですぜ)ここらを来訪し、
すっかり京都の魅力にはまった者としては垂涎ものの小説といえましょう。
物語の中核をなす黒髪の乙女に対する恋心とそこに起因する行動が見事な手腕で滑稽に描かれているものの、恋心それ自体の純粋性は大事に扱われているから、夢物語と突き放す気にはさらさらならない。
その自虐ネタの隙間に垣間見せる詩情あふれる描写は絶妙。
おもわず手帳に書き写したくなるほどの、描写や台詞がザックザク。
こんな小説、ひさしぶり鴨川。
正直、最初はややオタクっぽい雰囲気に腰もひけたのですが、
そのボーダーを越えれば、胸キュン万人が赤面するほどのラストが待っているのです。
胸キュンたってただの大団円ではないのです。その突き放し具合たるや良し。
小説でこんな胸キュンを味わったのってひさしぶり鴨川。
13日のジェイソンから翻って14日はヴァレンタインだなんて!
ジェットコースターのような数珠繋ぎの日々の合間に最適の本ではないでしょうか。
読めばわかります。
とたんに京都が恋しくなって去年の5月をひっぱりだしてきたよ。しばしおつきあいを。
乙女なら一度はいきたい喫茶ソワレ
「私」や「黒髪の乙女」が在学するであろう京大のある吉田山頂のカフェ
泣く子もだまる東寺五重塔
都をどりのちょうちん。赤くて丸いだるまにも似かよって