2009年09月24日

裏社会が知りたくて 『歌舞伎町案内人』―馬場恒行

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それは『帰れない夜』をスズナリで公演している時、マチネ、ソワレの間の休憩時間。
駅からスズナリに向かう途中にある古本屋さんにフラッと入った。
その古本屋さんは『ほん吉』なんとも言えない・・・掘り出し物がありそうなニオイがするお店。
そんなお店で目にとまって立ち読みをしたのが『歌舞伎町案内人365日』って本だった。
歌舞伎町で働く男が○月○日に起こった事を綴っている本いわゆる日記ね。
読み途中だったが集合時間が近づいてきたので劇場に戻ったのだった。

それから数ヶ月・・・裏の世界を知りたいと思った時、この本を思い出した。
しっかり最初から読んでみたら「分かってるよね?」って感じで書いている。
この『歌舞伎町案内人365日』はブログを本にしたんだって。
で、ちゃんとブログじゃなくて書いた本があるって言うんでその本を購入。

『歌舞伎町案内人』著:李 小牧
ノンフィクション作品で中国人の李 小牧さんが日本に来て、職を転々としつつ歌舞伎町で最初の中国人案内人(キャッチ)になり、生きていく話。
新宿はよく行く街だし歌舞伎町に【恐い】ってイメージはまったくなかった。
でも、李さんが体験してきた歌舞伎町はオレが触れてきた歌舞伎町とは全然違う。

この本のイイところは出てくるヤクザが、みんながみんなかっこいいヤクザではないってとこ。
映画や漫画に出てくるヤクザってかっこいい人ばかりでしょ?
オレも憧れちゃうもの。
だけど第三者が見た本物のヤクザはせこくて、ダサい。(全員ではないけど)
実際に会って、話して、関係(李さんはケツ持ちの方)を持たないとわからないことだよね。

【歌舞伎町には表の顔と裏の顔の二つある】
歌舞伎町がアジアで天国のような場所であると思われてて、
外国人観光客がネオンで光る街並みをパシャパシャとカメラで撮っている姿。

そしてビザが切れた(学生ビザとかで日本に来た人)不法滞在者が犯罪に走る。
お金ほしさに簡単に人を殺しちゃう・・・。
現実は案外近いところで犯罪があるって事。

『歌舞伎町ってどんな裏の顔を持つ街なんだろう?』
この本を読んだら、今まで何度となく降り立った街「歌舞伎町」が違って見えた。
どちらが表で裏なのか・・・。
けしてカタギの人間が踏み入れてはいけないギリギりの領域まで行きたくなる人もいるかも知れない。