2009年10月13日

何度も読み返したい「ホテル カクタス」―山崎 留里子(衣装)

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私は意外と読書家です。
あまりそう見られないのですが(何故?)、年間50~60冊は本を読んでいると思います。
とは言っても、あらゆるジャンルの本を読んでいるわけではなく、気に入った作家さんの作品を端からどんどん読んでいく、といった感じです。

今回読んだ、「ホテル カクタス」の作者、江國香織さんも好きな作家さんの一人。

実は、「ホテル カクタス」を読むのは今回が3度目。
昔の私は、あまり新しい本に手を出さず、家にあるお気に入りの本を繰り返し何度も読む、という事が多かったように思います。
でもここ何年かは、自分で本を買わずに図書館で読んだ事のない本を借りては読む、という事がほとんど。
そうなると、面白かった作品も返却してしまうと自分の手元にないので、同じ作品をもう一度読む事が少なくなってきました。

でも、江國香織さんの作品は2度目に読んだ時の方が面白いものが多いと思います。
もちろん1度目も面白いし、これはあくまで私の個人的な意見ですが。

その中でも、「ホテル カクタス」は大好きな作品で、2回は図書館で借りて読み、今回久し振りに読み返すにあたって文庫本を購入しました。

3度目もやっぱり面白かった。

「ホテル カクタス」という変わった名前のアパートに住んでいる、帽子ときゅうりと数字の2が主人公の不思議な設定の物語。
特に大事件が起こるわけでもなく、それぞれ個性的な3人(?)の友情や日常が綴られているのですが、「大人向けの童話」といった感じで、読んでいると普段忘れている何か大切なものを思い出させてくれるような温かい気持ちになります。

初めて読む本を、「この先どうなるの?」と読み進むのはワクワクしてもちろん楽しいですが、以前読んで面白かった作品を改めてゆっくり読み返すのも、読書の楽しみだと思います。