実家で見つけた「わたしのグランパ」‐野澤爽子
わたしの実家には居間と昔私が家を出るまでの間、自分の部屋として使っていた四畳半の和室のそれぞれに壁に埋め込むような格好で二重の可動式本棚があります。
私の部屋の本棚には絵本や児童向けの本がぎっしり入っており、ドリトル先生シリーズやナルニア国物語、大草原な小さな家や赤毛のアンなど繰り返し何度も読み返すほど夢中になって読んでいました。
けれど、残念なことに居間に置かれている本棚の方にはほとんど興味を向けることがなく、結局どんな本があるのかも良く知らないまま私は25才で実家を出ることに―。
父や母が読む本だから。
どこかで自分が好んで読む本とは違うような気がして分けてしまっていたんだと思います。
ところが先日、久しぶりにゆっくり帰った時に居間の本棚を見て見れば、面白ろそうな本がザクザク並んでいるではありませんか(笑)
父や母が一体どんな本を読んでいるのか?
自分と分けていた興味が今更ながらつながってフツフツと沸いてきました。
で、まず手に取ったのがコチラ。
筒井康隆著「わたしのグランパ」
いやーなんだろう。
この駆け抜けるような爽快感は。
お話し自体はとてもストレートな構成なのだけれど、孫娘の前に突如現れた刑務所帰りの祖父の侠気に惚れ惚れしながら引き込まれていくのです。
普段は本を読むスピードが人の倍かかる私が自分でもビックリするほどあっという間に読み終えてしまいました。
遅れてやってきた居間の本棚物色ブーム、これからしばらく続きそうです。