2010年12月03日

北川歩実著「金のゆりかご」−若狭勝也

KAKUTA次回朗読公演に向けて、本探しをしている時に、北川歩実さんの「もう一人の私」という短編集に出会った。

短編集の一つ一つ、二重三重のどんでん返しで驚かされた。

それから長編も気になって、
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「金のゆりかご」
を購入。

読み終えると「どういうことだったの?!」と、気になる事はないが、途中は頭が混乱していく。

「こういう事だったのか!」
と驚かされ、
「いや違う、そういう事だったのか!」
とまた驚かされ、
「えっ?さっきのも違うの?!」
と、まだまだ続く。

何重のどんでん返しだったろうか?

その度にハッ!となり、その度に辻褄も合っている。
のに、それもひっくり返す・・・。
「そこをひっくり返したら、この先、収拾つかないよ?!」
と思うが見事に計算されている。

北川歩実さんは、覆面作家らしく、プロフィールや性別も全く明かされてない。
科学や・医学知識を考えると男性なのかな?と思うが、とにかくもの凄い計算だ。

GCS幼児教育センターでは、「金のゆりかご」と呼ばれる機械で、生まれてから3歳まで、脳に良いとされる環境で天才を育てる。
グラフィックの模様を見せたり、音楽を聴かせたり。
小学生で東大の入試問題を解く天才の子供が何人も現れるが、子供が次々と精神に錯乱をきたした事件が浮かび上がる。
やがて、ある母親が失踪し、殺人が・・・。
先端科学に切り込む新感覚ミステリー。

天才の子供・・・、というかそれを書いてる北川さんが天才なのだろうと読んでて思う。

北川さんの他の作品も読んでみよう!

出会いがあるから“本探し”って嬉しいね。