2011年01月21日

フィリップ・プルマン著「黄金の羅針盤」‐野澤爽子

とりわけ避けていたわけではないのだけれど、朗読企画チーム・Fumikuraのメンバーにもなったことだし今まで手をつけてこなかったジャンルにももっと興味を広げていこう!
そんなふうに思っていたらば、少々疎遠になっておりました。

でも、新しい年も始まったことだし、何より4月の朗読公演の上演作品が無事に決まった喜びにかこつけて(詳細については「Fumikura工房」にて随時お知らせしていきます!)久々にどっぷりと浸かっております。

C.Sルイスの「ナルニア国物語」しかり、歴史や宗教思想も背景に置いた壮大な世界観に震えるトールキンの「指輪物語」、実際の戦い以上に主人公の内面の葛藤の激しさに揺さ振られるル=グウィンの「ゲド戦記」しかり、井伏鱒二氏の訳の妙に心踊る「ドリトル先生」シリーズしかり、映画版にも熱を上げた「ハリーポッター」しかり。
やっぱり、やーぱっり!ファンタジー文学を読むのは楽しい!!

上に挙げた作品も映画やアニメと映像化されていますが、このフィリップ・プルマン著「黄金の羅針盤」も映画化され話題になりました。

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原作を読む前に映画を観てしまうのは楽しみが半減してしまうようでもったいなく未だに映画版は見ていないのですが、ついに読み始めた今、早くも気持ちがはやってTUTAYAのレンタルコーナーへ駆け出さんばかりの勢いです(笑) 

私の個人的な感覚なのかもしれないのですが、ファンタジー文学は一巻目の半分くらいまで読み進めるまでは大概ゆるやかなストーリー運びによもすると退屈してしまうことが多いのですが(かのナルニア物語もルーシーが洋服たんすから冬のナルニアへとやってきてタムナスさんと出会うまでが辛抱。)この「黄金の羅針盤」はド頭からトップギアでお話が疾走していて、良い意味で私のファンタジーの定説を打ち砕いてくれました。

そして、主人公の11才の女の子・ライラの勝ち気で“おてんば”と言えば可愛らしいけれど、その手に余るやんちゃぶりがこれまた新鮮なヒロイン像で良いのです。

好きなものを好きなだけ読む。
新しいジャンルに触れる面白みを知ったからこその至福の時をこれから展開していくライラの冒険と共に楽しみたいと思います!