2011年01月29日

エイミー・ベンダー著「わがままなやつら」-ヨウラマキ

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外国文学が好きです。
と言うと、まるで外国かぶれみたいですね。
翻訳された文章の淡々とした感じとか、ここではないどこか、という感じが好きなんだと思います。

エイミー・ベンダーさんは中でも大好きな作家さんです。

今回ご紹介する「わがままなやつら」は短編集。
二週間後に死ぬと宣告された10人の男達の話や、大きな男に飼われる小さな男の話、七人のじゃがいもの赤ん坊のお話など、ちょっと魔法がかかったお話が多いです。
でもお伽話ではありません。
舞台は現実ですし、ちょっと暴力的な一面やえろい描写もあります。でもそれが淡々とした文章の力で、わりかしあっさりしています。嫌な感じがしない。
しかしそれに油断して読んでいると、そこに潜む行き場のない怒りや寂しさ、愛。そういった感情の渦が、ぐわっとこっち側にやってくるのです。
それは不意打ちなので、いつも面食らいます。
お日様を感じていたはずが、暗い海底に突き落とされた感じ。
でもこの刺激が病み付きになります。

実はこの作家さん、友人から「ヨウラっぽいよ」と薦めてもらったんです。
どこが私っぽいのかわかりませんが、私はこの本の登場人物になってみたいと思いました。