2007年07月12日

第12回★桑原裕子

これがアップされるのは、もう『神様の夜』が終わる頃。

ってことは、稽古場日記と銘打ちながら、稽古でもなんでもないときに書いているわけで、じっさい何書いていいんだかわかりません。
みんな!本当にお疲れ様!今のうちから労っておこう。

今回の朗読公演、大好きな川上弘美作品『神様』を全9作品上演すると言うことで、企画段階何が一番楽しかったかといえば、キャスティングである。
このシリーズでは毎回、単なる朗読だけではなく、実際にその場で物語に描かれている状況を演じてみせるという趣向を取っているのだが、この小説は「私」というひとりの女性が主人公なので、まずは「私」を誰が演じるかが肝になる。
それでもって、その「私」の心情を伝える「語り」。これも、一作品のぞいては全て女性。また、友人などその他の女性も登場する。
だもんで当然、女性キャストが劇団員だけでは足りない、というわけだ。
そこで己の少ない情報量の中から必死にサーチエンジンかけて迎えた女優陣。その割には、何ともありがたいことにかわいこちゃんばかり集まった。
いや仕方ない。かわいこちゃんが好きなのだ。

昔から私は、友人のかわいこちゃんたちを見ては、「この子に似合うシチュエーションは高原だ」だの、「この子のBGMはこれだな」「衣装はビキニしかないだろう」だのと夢想し、脳内演出するのが好きだった。(別にその中の友人たちを脱がせたりするわけではないのでご安心を)
それも、ひとりの女性に固執するのではなく、癒し系なごみ系美人系とバリエーションを揃えてよりどりみどり感を味わうのも好きであり、その”よりどりみどり”の”みど”くらいのニッチな立ち位置に、ひっそりこっそり自分を置いてみたりもするのである。
そんな脳内趣味を持っていた私としては、今回のような企画は乗っかるべくして乗っかったという感じで、キャスティングが非常に楽しかった。
だもんで今回は誰かに公演案内をするたびに、己の演出だとか、作品のクオリティを本来ならば声高に宣伝すべきところを、ついつい「ホラホラかわいこちゃんいっぱいいるよ!」などと歌舞伎町のポン引きみたいな声色でプッシュアップしてしまい、主宰として演出家として、はたまた同じ女子としていかがなものかと、ふとした瞬間に気づき反省したりもした。
が、そのかわいこちゃんたちを「より可愛く」見せるのは演出の仕事だしさ、作品が悪ければかわいこちゃんもくすみますしってことで頑張ってきたわけなんで、まあいっかというわけですよ。

女子たちがキャイキャイいっている現場というのは、良いものだ。
どちらかといえば、私の周りはゲラゲラ、とかギャハハみたいな声が主であり、それはそれである種の味わい深さというものがないわけではないが、キャイキャイ、という単語が似合う現場に遭遇すると、思わず客観的に見とれてしまう。(そしていきなり自分に視線を振られると無条件にビクつく)
この子は一体どんな境遇でこの品を身につけたのか?
この気遣いはどれだけの男子をクラつかせてきたのだろう?
生まれたときからこの目の大きさか?など。
このたび登場したかわいっこたちをひとりひとり研究発表したい気持ちに駆られるが、それをここでやるとえらい長文になるので、近日中に自身のデエトブログ番外コーナーで公開することにしよう。

今日も志賀さんのテンションが高い。お気に入りの砂穂の前で、おどけていらっしゃる。
「何でKAKUTAの現場は可愛い子ばかりなの?」
参加して早々、そう言っていた。
その目線たるや、明らかに私を含んではいなかったが、まあいい。
そんな中で、今日も私はそうした女子群ですら誰も到達できない域のチャーミングを備えた女性・麻生美代子嬢の横に座る。
私「麻生さん、次は「○○○(麻生さんの台詞)」って言うシーンですからね」
麻生「え!?そんな台詞あった?!」

私の口からまたギャハハという声が漏れ出る。

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【★私が神に遭遇した日★】

このお題を出したのは私だが、今のところ遭遇した経験はない。
っていうか、エ?みんなあるの?(書かせといてひどい)

ただ、毎回こうしてせっぱ詰まりながらも無事に台本をあげたり本番を迎えたりすることが出来たときは、その方の存在を感じずにいられません。
さすれば既に私は神に遭遇し、日々神を感じ生きているのである、と。
kami-bara.bmp