~⑤蟹工船に乗って、マグロ漁をする(過
酷の上塗り)~
私が今、一番ほしいもの。それは、
「ジリリリリン、はい、来々軒!」
草間彌生モデル携帯!!!!
これがなんと、100万円!
別バージョンの「私の犬のリンリン」モデルも
100万円!
仏像を、彫っても彫っても涸れぬ欲望の泉。泉曼荼羅を掘りすぎてすっかりの爪のなくなった赤黒い指先に彫刻刀を持たせてせっせと仏像彫ります。二代目色ざんげ・宇野千代こと原です。
さて前回。京都へ仏像見学のおかげか(親に手伝ってもらったおかげだね、きっと)、ノミの音も控えめに、木材から仏像本体の切り出し作業が終了しました。
いよいよ仏像の形へと彫刻刀で削っていきます!
切り出したばかりの荒い状態。
さてここから掘り進めていきます。まずは角を落として、
四角形を八角形にしていきます。
「ほれ、貸してみい」
あ、ありがと、お父さん…
子どもの頃の方が、私、自分で夏休みの宿題やってたよ。
「そうか?」
とりあえずは自分でやってみます。
「スッ」
なんとも気持ちよく彫刻刀が材の中にすべりこんでいきます。
「仏像ってそうやって彫るんダニ~」
草間先生、応援ありがとう!!
やりはじめると結構はまる。
この工程ではまだ精巧なテクニックは必要ないみたい。
彫刻刀なんて使うのは、それこそ小学生以来なので、手慣らしも兼ねてゆっくり丹念に掘りすすめていく。
材の角がとれた!
その時!!
母「なんで仏像、彫るん?」
「じー…」
ハイ、とうとうきましたね、この質問。いや、むしろ遅いくらいでしょう。
実家を離れて東京で暮らす私が、
新興宗教に入信することと出会い系サイトで凶悪痴情犯罪に巻き込まれることを非常に恐れている母ですから、
「べ、別に宗教とかじゃないよ…」
「そういう意味じゃなくて」
「あ、そうなの?これは劇団で自由研究というのをやってて、それぞれいろんなチャレンジをやって、それをみなさんに楽しんでいただくという……ゴニョゴニョ」
「ふーん…」
母はやはり未だに怖い存在です。
小学生の時、完全に手抜きで書いた夏休みの絵の宿題を8月31日に見つかって、
その場で破り捨てられた思い出があります。
「私はなんのために彫っているのか」
そんなことはどうでもいい。
ともかく彫るべし。
髪が乱れても、
あ、あれ?
同じ顔?!
それにしても、
この仏像を両手で抱え込んで彫る姿、なんともノスタルジックじゃないですか?
日本昔話のような、ジブリのような。
囲炉裏端に置きたい感じというか。
置いてみました。
きゃ!楽しい!
海で!
山で!
ミッキーたちと!
うっひゃっひゃ!
そうしてる間に、
今回の工程完了!!
するすると削れていく(剥けていくという感覚にも近いかも)ので、
その止め時というのがわからないのだけれど、
この段階で削りすぎたらダメな気がして、このあたりで止めることにする。
欲望のくず。
削っても削っても減らない欲望。
実家で夏休み気分を味わうほどに、上京したかった昔の自分の気持ちを思い出す。
高い空。
町を包む稲の匂い。
父母の家。
また里帰りします。
木材から切り出せたら、あとは黙々と作業するのみ。
ありがとう!おとうさんおかあさん!
ふきこは東京で立派な仏像を完成させます!!!
そして草間先生、ありがとう!
東京へ戻ってきた原さん!
この時点で満足せず、
仏像を完成させられるの
か?!