~④コーンコン♪コーンコン♪ノミを打つ~
みなさんこんにちは、チチョリーナ・原です。
地元イタリアで議員やってます!
さて。
帰省しましたー。おっかやまー!
蔵屋敷の町並みですこしばかり有名な倉敷、の西隣の町。
駅に降り立つと、稲の匂いがしました。
この時期に帰省するのは久しぶりです。
昨年の今頃は、
『STARMAN』の稽古だったんですものねぇ。
懐かしい…
ささ、そんな舞台の懐かしさも帰省のなつかしさも、完全に混同したまますすめます。公私混同上等!!
「早く食べろ」
そんな言葉が聞こえてきそうですね。
はい、まずは久しぶりの実家ご飯いただきましょう。
ふと見ると、実家にはこういう子ども時代の作品がころがっています。
こんなのや、
こんなの。
この石の像は、自分を彫ったものですね。
似てますか?
私、立派に仏像を彫れるのでしょうか。
おまけに製作当時、首のあたりを削りすぎて座りが悪く、教室の後ろに飾っていると級友のもまきこんで、ゴロゴロ倒れていました。なので、なんとなく離れたところに展示されたのを覚えています。
こんな石像ごとき!
実家では今でも玄関に飾ってもらってます。ありがたいですね。
さーて。
過去の作品群をふりかえり、かえって不安になりました。
過去ではなく、今を生きるのだ!
「どれどれ」
お父さん!娘の宿題を手伝わないでーーー!
実家で自由研究…30歳すぎてもこの条件がそろえば、もうそれは宿題の様相。
それにしても、いきなり?!
まだ私がなにもしていないのに父の手がはいるところでした。
気を取り直して。
下絵を描いて、
のこぎりで切れ込みを入れていきます。
(撮影:父)
ん?
ん?
まったくの普段着に、ざんばら髪!
文明開化の音もしねぇ!
は、置いといて。
「ねぇ、もしかしておんなじ工程なんじゃない?」
と思った方。
明日から仏像彫れますよ。
さかのぼること一週間前…ホワン…
やってやんよーと勢いよく購入したこの木材。
ほんとにただの角材だったのです。
校舎の窓ガラスを割るような、選挙ポスターを貼る掲示板の支柱のような、
ただの角材!!もうしわけないけど、使い捨ての角材!!
購入したときはもう、良い大きさの木材に飢えてましたから、
ちょうどこの角材が彫ろうとしている仏像にサイズがジャストだったんですな。
で、飛びついちゃったって訳。
ちゃんと彫刻用の材ってあるものなんですね。
今回、改めて購入しなおして一からの再挑戦とあいなったのでした。
父指導のもと、のこぎりを使っていきます。
そして、撮影も父にお願いします(マジ助かります。孤独な都会の一人暮らしに思いを馳せます)
実家では木屑を気にすることなく、外でダイナミックに作業ができるので、
さくさく進みます(って、きっとやり直し作業だから二度目はスムーズなのですよね)
先日の作業では、たったの一面で2時間かかってへとへとだったこの切り込み作業も、
10分ほどでこのとおり!
笑顔も満面です。やっぱ誰かに撮影してもらうと笑顔も自然ですね。なんか泣けてきます。
父に木材を押さえてもらいながら、
作業はスムーズといえど、やはり疲れます。
二面、
サンッ面、(一応)
「撮るときは撮るって言ってー」
切れ込み、完成!!撮り直しても逆光!
「ノミで削るんか」
先取らないでーーー!!
ノミっていったら、仏像彫刻の花形工程じゃないですか。
え、違いますか?
私はそう思ってます。
コーンコン、コーンコン、釘をさす~
山崎ハコ先生の「呪い」の歌を、ノミに吹き込んで、いっちょやってやんよー!!
ソーレ、
こんッ
近所迷惑を考えて、
ゴム製の槌を買っていたのでした。よって音は寝ている赤子にもやさしい、とっても軽い音。
平成ヌッポンのノミ打つ音、せめて運慶先生まで届け!!
先にのこぎりで入れた切れ込みの間をノミで下書きのアウトラインにそって、
余分な木材を抜いていく作業。
夢中でほじっていたけど、
これってズバリ運慶先生の言う、「木の中に埋まっている仏像を掘り出す」作業ですよね!!!
って気づいたのは終わってから。
木の目によって彫りやすいところ、彫りずらいところがあって、まったく気が気じゃない。木だけにね。
とりあえず、側面が完成!ちょっと仏像っぽくなってきたんじゃないですか!!
ここで、
あ、あれ?
ずこっ!
父が戦線離脱。
「いつまでもお前の手伝いしてられるか!」とのこと。
頼んだわけじゃ…という言葉は飲みこんで、父を見送ります。
私の、無闇なサービス精神は明らかに父の血を引いているんデスネ。
「こうして削ればいいんじゃが」
今度は母!
私が言うのもなんですが、母はとてもセンスがよく、器用な人です。
趣味で木彫りもやってるんですな。
もういいや!原家の自由研究ってことでいいですか。
ノミで打って~
はい!
また打って~
……
長時間の作業に太陽も目離しはじめたけれど…
「6年1組、はらふきこ!」
「…」
石像も鯛も見ていた。
その瞬間を…
「おひとつ、どうぞ」
罰当たりめが!
まずは、木材から像の切り出しが完成しましたーーーー!
やったね!
ちょっと仏像っぽくなってきましたよー。
お父さん、お母さん、ありがとう!
次回、
像の端を削って、
丸みをつけていきます!