~③アラフォーはねずみ花火のごとく、荒野をめざす(高速回転)~
こんちわー!
魚市場から台風中継、原親子でお送りしまーす!
って完全に現実逃避だ…
前回、仏像のわずか一面に切れ込みを入れるだけで、(↓こんな感じに)
だっくだくの汗、きれぎれの集中力、撮影カメラマンの不在などで、仏像彫刻が一向にすすんでいない情けない私(今も汗だく)。
想像以上に、難しいんですもの。
だったらさー、もうどうしたいいのさ!!
「そうだ、京都へいこう」
仏像っつったら京都っしょ。
ともかく京都で仏像に会いまくれ。そしたら何かが見えてきやしないだろうか。
そんな思いつきのみで、
ほんとに京都!!
きちゃいましたーーーーーーーー!!
仏像界の花形、東寺や三十三間堂はもちろん行きますよ。
だけど、ちょっとその前に、どうしても行きたいところが。
はい、ここー!
いきなりこんな写真じゃよくわかりませんが、六波羅蜜寺でーす。
この名前でピンときた方。ふふふ、あなたも好きねぇ。
お目当ては「空也上人像」。
なんたって、この口から出ている六体の阿弥陀仏。
「南無阿弥陀仏」と上人がとなえた漢字一文字一文字が、
仏さまに変化したっていう創造の窮みのような像です。
なんて斬新な発想なんざんしょ!
よくみると、阿弥陀仏の発想だけじゃなく、
上人様がほんとリアルタッチなのですよね。生きているような。
念仏を唱えて、市井を練り歩いた上人の「熱」のようなものが、像からほとばしってる。
あまりに生々しくて、ちょっと怖くなるほど。
そう思っていたら、上人様の口から出ている阿弥陀様たちがふるふると震えはじめて、
それはあたかも、上人様が念仏を唱えられたようにも見えた。
床の振動で揺れたんじゃない?って言われればそれまでなんだけど、
すがるような思いで上人様を見上げている者にとっては、それだけでとんでもない救いにも思えて。
この上人像、なんと運慶様の四男・康勝の作品だとか。
まぁ、なんてご縁なの!と驚いたのもつかのま!
ぴぎゃ!
平清盛坐像が。
これも教科書でとっても有名な写真ですよね。平清盛の写真っていったらこの像がたいてい掲載されているはず。僧の姿ではあるけれど、ぶ厚い唇が時の権力者の風情を湛えているな気がしませんか?私はします。
はー、ここは小さいお寺だけどなにげに有名な像が多いのだなぁと感心しきり。
……
誰?
なになに、「運慶坐像」。ふーん。
…
……
………
「運慶坐像」!!!
ぴぎゃ!ぴぎゃ!ぴぎゃ!
スリー「さかなクン」はいりましたーーー!!!
なんじゃ、この偶然。
運慶、ならぬ、運・命?
なんでなんで~?!
よくよく読んでみると、この六波羅蜜寺は運慶一族の菩提寺だとか。
この運慶坐像の作者は運慶の子・湛慶、あるいは運慶の自刻とも言われているらしい。
これはもう、拝啓、運慶先生と、師匠よばわりしてもいいってことでしょ。
もしくは、運慶先生、わりと頭の先がとがってるんですね、ってことでしょ。
私、がんばって仏像、彫る!
素直に、こんな感想をもちました。
これってこの突貫旅行の最大の目標だったのではないでしょうか。
京都着いて早々、最初のお寺で像のすばらしさにも心揺さぶられ、
その上、とんでもない芋づるをたぐりよせ運慶先生とも対面。
正直ね、この旅の目玉とするつもりだった東寺、三十三間堂がすっかりかすんじゃったー。
でもせっかく京都まで来たので、見て回る。
~東寺~
東寺そばにある、
お店で、
念願の、
東寺餅を食べました。
牛皮にこし餡がとっても上品。おいしかったれす。
物見遊山で、仏像のことはしばし忘れ、京都の甘味にほっこり。
南大門から境内に入ると、
そこには蓮が咲き乱れ、この世の極楽浄土
まずは食堂(じきどう)内にある、焼けた四天王像。
初めて見たとき、かなりの衝撃でした。
これねー、火事で焼けたまま修繕を待ってこのままなんです。
これ以上の損傷を防ぐため、焼け焦げたまま樹脂加工とかされてるんです。
でもなんでしょうね、炎の中この像が立ち続ける様子や、
炭になっても四天王でいつづけていること、いろんな思いに駆られる像なのです。
このままでもいいなぁと思うのは、罰当たりでしょうかね。
講堂
如来、菩薩、四天王、梵天、帝釈天、計二十一躯の仏像が並ぶ、立体曼荼羅の世界。
金堂
ここのメインは、日光・月光菩薩を脇侍とする薬師如来像。
腐っても東寺(失礼)
見るものの気持ちが多少変化していても、やはりむんずと襟首つかまれて、仏像に首ったけ。
長年、人々の信仰の対象になってきたものの風格と切迫感がある。
それは自然を神として祀る神社などとは違い、人が重ねてきた信仰には、ぐっと人間臭さが宿る。
それはそれで、とても愛しいものに思えた。
~三十三間堂~
ほんとに長いお堂です。
1001躯の千手観音像と二十八部衆の像が安置されています。
これはもう圧巻の一言でしょう。同じものがたくさんある偏執というか。
こういうの大好きです。
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一日のみの滞在だったので、
あまりたくさんのお寺は回れませんでしたけど、
じゅうぶんな収穫はありや!
もう一度言いましょう、
私、がんばって仏像、彫る!
京都、ほんとに来てよかったー!
感動を胸に、このまま岡山へ帰省いたします。
東京から西へ、西へ。
(都落ちなんて言わないでネ☆)
次回、
ついに
原のノミ打つ音が
響くのか!