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吐露始め 2009/09/16 水曜日

北九州「甘い丘」演出日記・3

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9月6日、北九州出発。

朝早く、原と成清と空港に集合。睡眠不足で出かけるとひどい目に遭う、というコトは8月のWS時に学んでいたことなので早く寝ようと思うが、興奮しているからか、やはりほとんど寝付けず来てしまった。
同じく成清も高ぶる思いから睡眠不足だったよう。
その点、原は、昂ぶる思いをそのままに揚々としてやって来た。
昨日具合が悪いと言っていたのに、ヤケに元気である。だが時々自分でも思い出したように、「私ホントはこんなに元気なはずがない」と揺り戻したりしている。
空港で荷物を預ける際、成清の鞄にライターが二つも三つも入っていて手間取った。
それをゲラゲラ笑ってみていた原だが、いざ自分が手荷物検査でX線を通す段になると、ビービー音を鳴らして引っかかっている。
何が通っているのか?と本人もボンヤリしていたが、果たしてとんでもない物を持ち込もうとしていた。
係の人が、X線検査機を見て呟く。

「彫刻刀です」

・・・・・そんな危険物を良く持ち込もうとしたな、原よ。
「あっ、これは仏像掘るためにデスネ」
係の人に説明すればするほど怪しまれている。結局(当然)彫刻刀は没収となり、自宅へ着払いすることになった。
余裕を持って集まったはずが、原の彫刻刀によって、乗り遅れるかどうかのギリギリで搭乗。

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(CAさんに引率され搭乗口に走り込んでくる原)

のっけから、なにやら慌ただしい出発となった。

この日は照明さん音響さんとの打ち合わせのみ。
お電話やメールで話していたスタッフさんとようやく会う。
お二人とも素晴らしいプランを立ててくださっていたので、話し合いはスムーズに進行。
花れんちゃんも混ざり、音楽の入りどころも改めて決める。
同行してくれたイッチーが「こんなに決めてきた演出家は初めてです」という。
一応私も、8月のいいかげんなテクニカルミーティングを反省していたのだなあと、思う。

打ち合わせが終わったのは夕方。この日はナリも私も寝ておらず非常に疲れていたため、花れんちゃん、成、原と4人で、さくっとおでんを食べて帰ろうということに。
このおでん、私が北九州(小倉)へ行く楽しみの一つだった。
おでん屋にはなぜかおはぎも置いてあり、このおはぎをチビチビ削って食べつつおでんのツユをすするのが最高にうまい。
最初に成清と小倉へ行ったときに虜になり、何だったら毎日これでもいいと思っていた。
花れんちゃんも原も気に入ったようで、「私も毎日これでいい」と言って食べている。
中でも、餃子天(餃子を薩摩天に入れた物)が最高に美味しい。

結局、おはぎとおでんを何品か持ち帰り、ホテルの朝ご飯にすることにした。
ホテルへ着くなり、爆睡。
そして、夜中の内に目を醒まし、おでんを食べてしまった。
ここから私のデブへの日々が始まる。

9月7日、顔合わせ&初稽古。
おでんで腹を満たし、稽古場へ。
いよいよ始まったと思うと震えが来る。が、稽古場ではその様子を見せないつもりで振る舞ってみる。
自己紹介は以前のWSで済んでいたので、軽い挨拶の後、早速読み合わせ。
また衝撃の長さになったらどうしよう…と不安を抱いていたのだが、これが面白かった。
皆、一ヶ月前に出した短い注意点を意識して読み込んできてくれていた様子。
「この工場の雑多で、我先に自己主張したがる人たちの空気を出すために、相手の台詞が終わりきらないうちに次の人が喋る、と言うテンポでやってみましょう」
私がWSで出した要望とは、この程度なのに、皆とてもうまくなっている。
台本読みだけでかなり時間がかかってしまうことを覚悟していただけに、これはいけるぞ、とワクワクしてきた。

台本を読みながらト書きをバンバン削る。やはりこれは実際に、声を出してみないとわからないので、やりながら削ることを予定してきた。
ト書きを読むのは原である。
原は朗読の夜シリーズでも欠かせない、KAKUTAでは最も語りの読みがうまい人だと思うが、あまりに冷酷無慈悲に削っていくため、あらかじめ「バリバリ削っていくと思うけど、あんたが下手なワケじゃないから気にしないで」と言っておいた。
数時間後、予告通りあまりに削っていく私に「あんたが最初にああいってくれてなかったら、アタシ凹んでたよ…」と原が弱々しい声で言っていた。
ともかく、削って読み、トータルタイムは110分。
思い切って台本をあちこち削っただけのことはある。
が、ここにはまだ音楽も入っていない。
120分になることは免れないだろう…。

この日の夜は、初稽古なので飲みに行くのもありだったが、やることがいっぱいある気がして落ち着かず、自制して花れんちゃんとまたしてもおでん屋へ。その後、初日飲みで酔いどれた成清と原も合流。
ホテルに戻ったら戻ったで、同じく酔いどれた能祖さんが部屋にやってきて、ナリと扶貴子、能祖さんの4人で少し飲む。
結局飲みに行くのと変わらない時間になってしまった。

9Rに来るまで、能祖さんは「お前は飲みに行く暇なんてないからな」と散々おどしてたじゃんかー。

吐露終わり
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