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吐露始め 2009/09/20 日曜日

北九州「甘い丘」演出日記・ラスト

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千秋楽の夕方に撮ったホテルの前の空。
忘れられぬ、美しい夕暮れ。

こうして怒濤のような強行スケジュールのリーディング公演は幕を閉じた。
打ち上げは美味しい地鶏のお店。
地鶏鍋に舌鼓を打ちつつ、最後は能祖さんの進行で、一人一人がひとことメッセージを残した。
私の大分から観に来てくれた友人から、スタッフさんに至るまで。全員。
M男だというスタッフさんを女優たちでビンタしたり、劇団のような盛り上がり。
というかまさにここは、能祖さんが主宰を務める、北九州芸術劇団、なのだと思った。
最後に私の挨拶になった。
短く喋って終わろうと思っていたにもかかわらず、本当に、本当に悔しいのだが、ここでも泣いてしまう。
私はこれでも、泣きたがりではない。
みんなが泣いているのを、ゲラゲラ笑ってみていたい。
…のだが、恐ろしげな声で喋ってみたり、気取って喋ってみようとしても、涙が出てきてしまい、なにこれ?円を辞めた時みたい!と20歳の思い出まで蘇る始末。
恥ずかしくて、大急ぎでお酒をあおった。

能祖さんが教えてくれた。
この企画で私を迎えることを薦めてくれたのは、能祖さんではなく、あの、最初に、若くてカワイイ方だなあと思っていた野林さんなのだよ、と。
だから俺はホントに嬉しかったんだ、と能祖さんが言ってくれた。
それを聞き、私も本当に嬉しかった。
ここに来るまで、なぜ私が呼ばれたんだろう?と何度も思ったし、能祖さんの親心に感謝しつつ、私にまだそこまでの力がないのにご贔屓で迎えてもらったんじゃないかと怯えてもいた。
だから、同世代の彼女が、私を薦めてくれたと言うこと、そしてこれだけ素晴らしい体験をさせてくれたことに、心から有り難く思った。

しかし、これで本当にお別れではイヤだとも、同時に強く思った。
だからこそ、今度はKAKUTA全員で行きたいと思う。
そして、KAKUTAの仲間たちに、この劇場を「体験」して欲しいと思う。

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翌日は短い時間だが、なりとふきとで門司港へ行った。

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門司港で食べた懐石はまあ美味しく、町も面白く、それを持ってしても、もっとここにいたくなったけれど、まだ心は劇場の中にある気がしてならない。
きっとナリも、扶貴子も、そうである。

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でも、同時に、早く帰ってまた「甘い丘」をやりたい、という気持ちにもなっていた。
いつもだと、ひたすら完全燃焼…とふぬけになることも多いのだが、今回は不思議と、追い風が吹いているように、やる気がわき上がっている。
その風は、北九州の俳優たちが送ってくれている物なのだろうと、感じる。

彼らにもKAKUTAを観て欲しい、絶対面白くしてみせる、という、強い風が、吹いている。

吐露終わり
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