よしもとばななの「はじめてのことがいっぱい」を駅のキオスクで買って読む。
ネットにアップしている日記を文庫にしたものみたいで、私は同じシリーズの物を前も買って読んだのだけど、やはりどうもよしもとばななは合わないなと思う。
じゃあ何で買うんだ、と言われてしまうだろうけれど、合わないと思ったのは気のせいかも知れない、と毎回、思うからで。私は普段から大して本を読む人間ではないだけに、合う作家、合わない作家というのがあまりよくわからない。
「キッチン」も「TUGUMI」も昔読んだし(古いね)、特に「TUGUMI」は感動して読んだから、合うはずだと思っていた。
でもそういえば、友達に勧められてもあまり熱中して読めたことがない。
そんで、今回決定的に、そうか、相性というものがあるんだなと思った次第。
でも、読んで嫌な気持ちになった、とかは全然まったくなく、「この感覚、あの時感じた私の気持ちと全く一緒だ!」とか思った箇所もあったし、なるほどなるほど、と学ぶような思いもあったし、私もばななさんもハワイが大好きだし。
ただ合わないと言うだけ。
よしもとばななが合わないなんて言いたくないという気持ちがどこかにあったのかもしれん。
桐野夏生が好きなタイプです、と言えば、なるほど、じゃあだいぶタイプが違うもんねと思われるかも知れないが、川上弘美は好きな私だ。
合わないと思いたくなかったのは多分、私の心の姉・美穂がよしもとばななを好きだからで、よしもとばななが大好きな美穂を私が大好きだからなんだけど、でも、私の好きな人が私と違うものを好きだって好きなんだという、当たり前のことに逆に気づいた次第。
私は桐野夏生が好きな女だけど、たとえ美穂が桐野夏生の小説が合わずとも、私を好きでいてくれるんだろうと思うわけで、なんだかそれって素敵だねとよくわからない結論が出た。
いやっ、すげえ当たり前のこと書いてるか。書いてるな。
でもさ。
美穂はよしもとばななが好き。
扶貴子は岡本太郎が好き。
佐藤滋は銀色夏生が好き。
馬場はヤンキー漫画が好き。
大枝はチューブ前田が好き。
横山はマラソンが好き。
私はどれも好きじゃないけど、その人たちが好き。
そうか、そういうものか。
なんか、いいわね。