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吐露始め 2005/02/17 木曜日

「こ」 後生畏るべし(こうせい・おそるべし)その3

同い年の友・クリーミークレイジー女優、近藤美月が自らのユニット「みかん」で公演をすると聞き、チラシをもらった時のことだ。キャスト欄に不思議な名の役者を見つけた。
私「誰…?この中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)って…?」
美月「うん、うちの看板俳優なんだ…」
私「へえ…ずいぶん思い切った名前を付けたもんだね…」
美月「まあね…」
そんな役者は、どこにもいないのであった。
そして、スタッフ欄にも気になる名を見つけてしまった。
私「舞台監督、樅木団栗(もみのきどんぐり)さんって、あんたが考えた名じゃないだろうね?」
美月「うん、彼は働き者だよ…」
私「かわいそうじゃん、こんな芸名つけたら」
美月「まあね…」
そんなスタッフは、どこにもいないのであった。全て近藤先輩の創作であった。
私より強者がいた、と思った。私は彼女に聞いた。
私「ねえ、スタッフはわかるけどさ、なんで役者まで架空の人を書いたわけ?」
美月「だってうちに出たがる役者が多いって思わせたいじゃん…」
だからって歴史上の人物を足してどうするのだろうか。それも一人だけ…。私は更に聞いた。
私「え、え、でもさ、この中大兄皇子って、本当はいないんだよね?」
美月「いないよ…?」
私「え、じゃあ本番はさ、一人役者が出てないってことになるじゃん。『ナカノさんって人いないね』ってお客さんに言われるんじゃない?」
美月「だから、当日パンフレットの隅に、『中大兄皇子は諸事情により降板しました』って書こうと思うの…」
私「…あのさ、役者が一人多く美月の芝居に出たがってるってことよりも、ナカノさんって人が何かの事情で芝居を降りたんだなって思われる方が印象悪いんじゃない…?」
美月「……ああ…そうだね…」
その後どうしたのか、私は知らない。その後もチラシを渡すたび何人かに「中大兄皇子って?!」と驚かれていたが、彼女は「うちの看板だ」と言い張っていた。
皆さんも芝居のチラシをもらったら、裏面のクレジットを熟読してみてはいかがでしょう。
見たことのない突飛な名前のスタッフさんや、歴史上の人物がいるかもしれません。

吐露終わり
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