そう言えば、「満天の夜/ねこはしる」のことを全然書いていなかった。
初のプラネタリウム公演、二年ぶりのアルケミストとの共演ということで余程浮き足だった日々だったのだろう。季節はとっくに春だが、今更ながらにあの冬へ立ち返り、我が友とおこがましくも呼ばせていただくアルケミストについて語りたい。
大人になるほど出会いも増えるが、本当に気の合う友人を見つけるのは年を取るほどに難しくなるものなのかもしれない。ましてや四六時中演劇と向き合っていると、別の世界で友人を見つけることは大変困難なことである(特に私のようなインドアひきこもり人間の場合は)。
そんななか、おこがましながらピピと通じ合ったのではないか、おこがましながら(しつこいね。おこが「増し」すぎるので今後は割愛しますわ)世界のせっまい私にとって演劇以外でようやくできた友人と思うのが、アルケミストの二人である。
KAKUTAに来てくれるお客様の中でもアルケミストファンは大勢いて、もはや紹介するまでもないと思うが、二人はボーカル(こんやしょうたろう)とピアノ(井尻慶太)の二人ユニット。
繊細で力強い詩を透き通る声で歌うボーカル、柔らかく深く聡明なピアノ、と彼らを表現する枕詞は多々あれど、密かにだが私の中では「空のしょうたろう」、「水の井尻」と評するのが一番しっくり来る感じがしている。
「空よーっどこまでも続いてけーっ天までとどけーっ高く高くへ飛んでゆけーっ」
としょうたろうの歌声は言っているように感じる。
「川のように穏やかに、時に激しく流れるのだ、海のように深く、どこまでも広い地平線を知るのだ」
と井尻のピアノは弾いているように聞こえる。
ついでに誰か私のことを「土のバラ」とでも言ってくれないだろうか。
「どすこい、どすこい」
何だか力士の土まみれのお尻などを連想してしまうファンキー(土着的という意味での)な表現ではあるが、そうして空と水と土が揃えば宇宙が見える気がしない?などというところで、プラネタリウム公演はやはり必然であったと勝手にこじつけているわけです。