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吐露始め 2006/04/09 日曜日

「と」 同気相求む(どうき・あいもとむ) その2

さてそのプラネタリウム公演、全ステージが終了した後の舞台裏で、私たち出演者はいつになく感傷的であった。臆面もなくめそめそしている輩もいて(自分か?)、それはスターホールという空間(そして素敵なスタッフの方々!)がもたらしたものなのかもしれないし、宇宙の大きさと私たちの小ささの中に存在する計り知れないさみしさのようなものを感じたからかも知れないが、ともかくその共有してきた時間を確かめ合うようにいつまでも互いに手を握り合ったりしていた。
しかしそんな胸の熱くなる想いをしても、次に待ち受けているのは打ち上げという名の酒祭り。
先ほど宇宙を感じていたかと思えば、次の瞬間は和民にいるのが現実だ。結局ゲハゲハと騒いで感傷も笑い飛ばしてしまうのが常である。そんななかで、あのピアノ弾きと歌い子はどないに過ごしているのかしらと、皆に大入り袋(お客さんがたくさん来た時に渡すおみやげのようなもの)を渡すさいチラリ観察してみることにした。
女子たちに囲まれ、己もガーリィな高い声でキャハハとはしゃいでいるのはしょうたろうさん。女子をはべらしているというよか、すっかり同化している彼の周囲はお花が咲いているような華やかさ。そこに涙はなく、笑顔が溢れている。
ところがはす向かいの井尻氏を見やれば、空気は一転、伏し目がちでジッと黙り座っている。あの姿勢の良い背中もこの時はほんの前屈みに丸まり、その様子はまるで優しい目をした必勝ダルマ。時折口をキュッとへの字にしたままおしぼりで目元を拭いていたりする。
大入りを渡した後、私は酔っぱらってなまこのようになりながらいじりんのもとへ這って行き、語り合った。
まだ感傷から抜け出したくなかった私には、ダルマな彼の空気が合うのだ。

吐露終わり
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