※大きい写真を見たい場合はクリックしてください。
************************
「オリジナルストーリー/悪くない休日・1」
どこかの公園。
一人の女が、本を拾う。
あたりを見渡して落とし主を探しながらその本を開くと、手紙が差し込まれていた。
宛先は「まだみぬあなたへ」。
女は手紙を読み上げる。
「まだ見ぬあなた、さようなら…」
すると、そこにやってきた、一人の青年・ハジメ。
ハジメ 「あ、それ…」
女1 「ああ、あなたの?」
本を返し、去ろうとする女に、ハジメはこの本を自分もこの公園で拾ったんだと話す。
ハジメ 「(落としたのは)あなたじゃないですよね?」
女1 「え?私じゃないです」
笑いながら答える女。
ハジメ 「いや、だったらいいなあと思って」
女1 「?」
ハジメの言葉を不思議に思いつつ、女は去りかけるが…。
女1 「ナンパですか?」
ハジメ 「え?いや…あ、ハイ。」
女1 「ああ。」
「見つかると良いですね、その手紙の人」と女に励まされるもやんわりナンパを断られ、ハジメはまたも公園をうろつくのであった。
************************
「夏休み」
原田さんの畑で梨をもいでいると、足下を小さなものが走り回った。《本文より》
原田さんの梨畑で働きはじめた「私」が出会った、白く小さな3匹の生き物。
梨を食べ、甲高い声で喋り、走り回る。
梨がとれる季節になると現れ、夏の終わりに消えていくというその生き物たちを、
「私」は家に連れて帰った。
生き物たちとの奇妙な触れあいを通じて自身と向き合う「私」の、
少し不思議でほんのり怖く、どこか切ない、夏休み。
「私」が梨を与えると、3匹の生き物たちは、勢いよく梨を食べ、部屋の中に落ち着く。
生き物たちはすっかり「私」に馴染んでしまった。
「今日はもう置いていったら?」そう言う原田さんに、生き物たちは「家で眠る!」と反抗する。
************************
「オリジナルストーリー/悪くない休日・2」
同じ手段で、別の女性をナンパしたハジメ。
女2 「会えば、空に浮かぶ意志が星だと気づく……これが私だって言うんですか?」
ハジメ 「あ、はい」
女2 「(あっさり)違うよ」
この本の持ち主を捜していると伝えるハジメだが、「ま、じゃあ頑張ってください」とあっさり切り替えされて意気消沈。ところが、
女2 「そんな運命的なものにとらわれずとも、お茶しませんかとか、普通に誘ったら良いんじゃないですか?」
と返す。
ハジメ 「誘っても良いですか?」
女2 「日曜日だし、天気も良いし…散歩くらいなら」
ハジメ 「じゃあ、それで!」
いいですよ、と笑っていう女2と共に、喜び勇んで散歩に出かけるハジメだった。