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吐露始め 2007/08/01 水曜日

「神様の夜」フォトギャラリー/プログラムA NO.2

「神様」
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くまに誘われて散歩に出る。河原へ行くのである。《本文より》

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同じマンションに先日引っ越してきた大きな雄の成熟した“くま”。
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そのくまに散歩に誘われ、ハイキングに出かけた「私」。
夏のはじめ。律儀で紳士なくまと「私」の、ほのぼのと可笑しく、うららかな河原のひととき。
魚を捕り、木陰で弁当を食べ、昼寝をし、抱擁をして別れる。
それは、悪くない休日だった。

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名前もわからないくまに、「なんと呼べばいいの?」と問いかけるが…。

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「呼びかけの言葉としては“貴方”が好きですが。どうぞご自由に、なんとでもお呼びください」
とにこやかに答えるくまだった。

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くまを見て驚く河原の人々。子供は「お父さんくまだよ!」と騒ぎ立てる。

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食後のデザートは、各自オレンジを一個ずつ。食べ終わるとくまは…、
「よろしければオレンジの皮をいただけますか」

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「オリジナルストーリー/悪くない休日・3」
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散歩していたハジメは、通りかかった女性(女3)が落とした梨を拾う。
返そうとすると女3は、よかったらどうぞといって去っていった。
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遅れてやって来た女2に事情を説明すると、食べましょうよ、と言う。
ハジメ 「だっていいの、変なもらい方したやつだよ」
女2 「大丈夫でしょ、いい匂いだし」
ハジメ 「そう?」

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女2 「…それにね、変なものとか、不思議なこととかは、時々受け入れるのもいいものですよ」
ハジメ 「変なこと?」
女2 「今日みたいに」
ハジメ 「ああ。僕」
女2 「その本みたいに」

女2はハジメの持っている本を指さしてそう言うと、「でも、時々ですけどね」とつけたした。


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「河童玉」
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ウテナさんと精進料理を食べに行った。《本文より》

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秋。寺へ精進料理を食べに来た「私」と友人のウテナさんは、突如現れた河童によって池の底の宴に誘われる。何でもその河童は女河童との性生活がうまくいかず、近頃「人間界で最も奥の深い失恋をした」というウテナさんに、なぜかご教授いただきたいというのだが…。
のんきで陽気な河童たちとの、賑やかで愉快で少し猥褻な、宴の一夜の物語。

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寺で出す精進料理を食べ終え、本道の広間でうたた寝をしていた「私」と友人のウテナさんは、池の底から聞こえる声に耳を澄ます。するとそこから現れ出でたのは、絵で見たとおりの、河童だった。
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河童に案内され、池の水底に潜る「私」とウテナさん。水は少し冷たいが、息は苦しくならない。
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河童は人間界で言うところの「閨(ねや)」は盛んで飽くことがないが、最近私の「男ぢから」がどうもうまくいかないのですと、ウテナさんに切々と訴える男河童。
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気がつけばたくさんの河童たちが集まって、卓にはご馳走が並べられていた。
河童たちに崇められたウテナさんは、愛や恋に於ける説教を始めるのだった。
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「オリジナルストーリー/悪くない休日・エンディング」
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夕方になり、ハジメと女2との散歩の時間は終わろうとしていた。
ハジメ 「今日は、ありがとう」
女2 「なかなか楽しかったですね」
ハジメ 「はい」

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女2「その手紙の人、もし見つけたらどうするんですか」
そう質問し、好きになるのかな?と冷やかす女2に、ハジメ少し恥ずかしそうに答えた。
ハジメ「正直ね、わからないんです。僕はその、今までちゃんと人を好きになったことが、ないような気がして。だからこの手紙の言いたいこととか、ホントはまだあまりピンとこない」
だから、この手紙を書いた人と話してみたい気がする、とハジメは語った。
女2「そうか…なら、逢えたらいいですね」
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良いお休みでした、と礼を告げ、帰って行こうとする女2に、ハジメは思い切って声をかけた。
ハジメ 「また、その…会ったりとか、出来ますか」
女2 「え?」
ハジメ 「こうやって散歩したりとか、そんなのでいいので」

少し驚きながら、でも私その手紙の人じゃないけど、という女2。ハジメはしばらく考えて、答えた。
ハジメ 「……わからないですよ?」
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女2 「…いいですよ。また会いましょ」

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じゃあまた、といって別れる二人。去り際、女2は振り返ってハジメに聞く。
女2 「そういえばその本、なんて言う本?」
ハジメ 「『神様』です」

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夕暮れ時、一人公園に残ったハジメは、改めて本を開き、手紙を読む。
「まだ見ぬあなた、さようなら。私に悪くない休日をくれるあなた…」
今日の出会いを思い返しながら手紙を読み上げるハジメ。

さようなら
あなたに会えば その時私は
神様がいるのかもしれないと 
思ってしまうかもしれないから

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どこか別の場所、別の時間に、誰かが同じ手紙を読んでいたことを知らぬままに。
いつか先の未来、またどこか別の場所で、その相手と出会うであろうことを知らぬままに。

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プログラムA 「悪くない休日」
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いかがでしたでしょうか。小説『神様』と照らし合わせてお楽しみくださいませね。
次回はプログラムBをお送りいたしマース。

吐露終わり
もくじ
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