はてさて、素敵な舞台写真をご紹介してきましたが、ここいらでちょいと番外編を。
『STARMAN』の脚本が出来る前、まさに夏真っ盛りの8月半ば。顔合わせと親睦、そして脚本のヒントを探しに、今回のメンバー全員で合宿へ行きました。
KAKUTAにとって合宿なんてもうウン年ぶり。せっかくなら夏のレジャーを楽しめて、かつ自由に過ごせる場所…と考えついたのが、
ハイッ!まさに舞台そのまま、キャンプ場!!
なるほど。稽古に入る前に皆で同じ空間を共有するための合宿だったのね…なんて、今だからさも有意義な合宿かのように言えちゃえるわけですが、実はこのとき、『STARMAN』は、
全く違うお話を想定していました……。
以前KAKUTAのメルマガで、「STARMANは合唱をテーマにした話になるはずだった」と書きました。
しかし。
その、合唱をテーマにした話になる更にもっと前に考案していた舞台は、
動物園でした。
じ、自分でも忘れてた!!
アタクシ、夏の盛りにわざわざ取材にまで行ったんですよ、動物園。
もう信じらんないくらい暑い日でしてね、入園した2分後にはもう帰りたくなりました。
家族連れに紛れ汗だくで一人、写真をパシャリパシャリ……。
一応、「円形」を意識した檻をチェックしてみたり(今となっては無意味さに涙)。
まるで役に立つことのなかった写真たちが今もデジカメの中に眠っています。
メエー(違う)
というわけで。動物園アイディアが無残にも消え去り、次なる考案テーマ・合唱の練習目的で出かけたキャンプ場。
しかし、この完全なる遊びと思われた時間は、結果的にキャスト達が舞台をイメージするのに大いに役立つことに。
台本も、ほぼそのまま奥多摩のキャンプ場をイメージして書かれています。
火をおこし、煙と炭にまみれて盛り上がったバーベキュー。
バーベキューの最中、急にザンザン降りの夕立が降ったのですが、劇中でも同じく夕立が来ることに。
劇中に登場する「くじ引きでカップルを作ったきもだめし」も、まさに合宿で行われた実体験。
川の近くにある吊り橋は、夜になると怖い。本編で肝試しのオススメスポットの中に、この吊り橋の話も出てきましたね。
流れが速くて結構、危険。
ちなみにこの川遊びの後、思い出したように「合唱しましょう」と呼びかけ河原で唐突に歌い出した私たち。さっきまで「イエーイ!」とか言って大騒ぎしていたのに突如厳粛な顔つきでゴスペルを歌い上げ、周囲の方々から奇怪な注目を浴びてました。
ここで馬場が実際に溺れかかり、足から血を流して帰って来たので、
↑このエピソードが出来ました。
更に、その時馬場のサンダルが流されてしまい、
↑若狭演じる慧生が、川で靴を流されてしまうというエピソードが出来たというわけ。
どんだけ実体験を拾っているのやら。合宿サマサマという話です。
合宿には、今回外部出演があったため出演していない佐藤滋に野澤爽子、
衣装スタッフの留里子までが参加。
皆で汗だくになりスポーツをしたり、
汗を流しに近くの温泉へ行きました。
ちなみに温泉ネタも本編の話題に登場しましたが、劇中演じていた役で「温泉の存在を知らずコインシャワーですました」というエピソードを語っていた大枝嬢は、実際にこのキャンプでも到着が遅かったため温泉に間に合わず、コインシャワーに入ったのでした。
「コインシャワーで損した…」
イメージの共有、台本のアイディア探し、メンバー達の親睦…。
この年になって合宿なんてちょっと気恥ずかしいかしら?なんて思っていたけれど、これだけの収穫があった合宿もないなと思うわけで。
夜中にバンガローで大声で歌い、練習した「合唱」は、ついぞ使用することはなかったけれど、あちこちで大騒ぎしている夏のキャンプ場だからこそ、どれだけ大声で歌っても誰からも気に留められることはなかった…という出来事は、私にとって『STARMAN』の中で最も好きなある1シーンを創り出すきっかけになったのでした。